人生を操縦する方法
私の自家用車には左右両側にたくさんの擦り傷があります。私自身はその傷がいつ付いたのか都合のいいことに記憶があいまいですが、そのほとんどは自分に責任があります。教会の入り口に続く道は狭く、ハンドル操作が難しく、そのためについた傷なのです。道の両側にレンガの壁があり、そこにも何台もの車がハンドル操作を誤って擦って行った痕跡が見られます。
知恵とは「ハンドル操作の芸術」と定義することができます。人生を過ごす中で、あなたは、あなた自身や他の人が傷つくのを避けるために偉大な知恵を要求される狭い状況を操縦する必要が多くあることでしょう。
道を誤ることを避けよ
箴言2:12-22
浮気は、道を誤ることの一つです(2:16-18)。知恵は「道を誤ること、また悪い方向に従うことからあなたを守る。(12,MSG訳)」知恵はあなたがハンドルを切り損って脱輪することを止めてくれます。それはあなたに「遠回りする迷路や行き止まりで首を傾げなければならなくなる道に進む(15,MSG訳)」のを止めてくれるのです。悪は一見魅力的です。しかし、道義に反した暗闇に導く道なのです。
結婚とは神の前に交わす契約です(17)。「契約」という言葉は旧約ではイスラエルと神との関係を表します。そして新約では私たちとイエスキリストとの関係を表すとても重要なことばです。契約は壊されてはならない両者を強く結び合わせる合意です。
不倫関係に陥ることは両者とも間違っています。この箇所では、女性の側は「若いころの連れ合いを捨て、その神との契約を忘れている。(17)」のです。この女性と不倫に陥った男性の側は、誘惑に引きずられ正しい道から外れ、究極的には「死に下る(18)」道へと導かれるのです。
知恵はあなたを正しい道にハンドルを保たせるのです(16a)。それは「立証済みの道をあなたに歩ませる(20,MSG訳)」のです。そして「胸を張ってまっすぐ歩く(21,MSG訳)」者の道からそれずに歩ませるのです。
祈り:主よ。知恵を与えてください。人生を導くまっすぐな道にハンドルを保つことができますように。
良い道を選ぶ。
マタイ14:1-21
人生における困難な時期は、あなたを間違った方向に向かわせるかもしれません。しかし、正しい方向を維持するならば、思いを越えたあわれみと知恵へと導きます。
箴言は私たちに知恵の道と悪の道の間での選択を提示しています。ここでは、実際に二つの道がどのようなものであるかを読むことになります。その実例とはヘロデとイエスです。
- 悪しき道
国主ヘロデはヘロデ・アンテパス(21 BC – 39 AD)です。この人物のもとに、イエスは死の直前、ピラトによって送られたのですが、イエスは何もお答えになりませんでした(ルカ23:8-12)。ヘロデは箴言の作者がしてはならないと警告したことをしたのです。彼は兄嫁ヘロデヤとの不倫関係にありました。バプテスマのヨハネは、それを糾弾しました。その時、彼はヨハネを「捕らえて縛り、牢に入れた(マタイ14:3)」のです。それはヘロデの罪悪感からのものです。ヘロデの人生は自分の欲を満足させることを中心にしています。彼は妻を捨て、他の女を求めました。彼の焦点は自分自身の快楽で、それによって他の人が、少なくとも彼の兄弟フィリップがどんな惨めなことになるかを考えなかったのです。他の人々の必要よりも自分の個人的な快楽の方が気になる時には気をつけるべきです。
拒絶されることへの恐れもまた問題に導きます。ヘロデはヨハネを殺したかったのですが、群衆を恐れた(5)のです。さらに、彼は誕生祝いに列席していた人々から拒絶されることも恐れました。それで、愚かなヘロデヤの娘の無理な要求をも、彼の見栄のために受け入れ、ヨハネの首ははねられてしまいました(8-10)。何が正しいかよりも他の人がどう思うかに蹂躙されないように気をつけるべきです。
バプテスマのヨハネの勇気ある発言のゆえにヘロデは彼を殺したいと願いました(4)。ヘロデの姪、ヘロデヤの娘は母と共謀してヨハネの首を切らせました。この家族全体を悪は駆け抜けたのです(6-10)。バプテスマのヨハネの首を盆の上に載せて運ばせも平然としておれるほどに彼らは悪に対して無感覚になっていたのです。
- よき道
ヨハネの弟子が、この酷い知らせをイエスに告げると(12)、イエスは明らかに従兄の死を深く悲しみました。イエスはひとり寂しい所でいとこの死を悼みたかったのでしょう(13)。イエスには神と一人拠り沿うことが必要でした。しかし、イエスの計画は妨げられました。イエスはそのことをイライラしませんでした。(私はしばしばイライラするのですが!)計画を立てることは良い事です。しかし、神があなたの計画を妨げることを許さなければなりません。あわれみのゆえに(14)、イエスは追いかけてきた群衆と一緒に行くだけではなく、行動に移し、病気を癒されました(14)。これらの最後には、群衆から姿をくらますどころか、彼らに食事を与え、弟子たちに奇跡をもってどのように食事を与えるのかを教えたのです(16,19-20)。イエスは彼らを用いたのです。私たちは、この日の過ごし方にイエスの卓越した知恵を見ます。イエスの一日は最悪のニュースで始まりましたが、イエスは多くの病人を癒し、男だけで(女や子どもを数に入れず)五千人の人々を奇跡的に食事を与えました。この日は歴史の中で何百万もの人々に影響を与え、歴史を通して覚えられる日となったのです。
祈り:主よ。私の人生の困難な時が私を正しい道から踏み外させたりしませんように。それどころか、偉大なあわれみと知恵へと導かせてくださいますように。
人生の挑戦を突き抜けて操縦する
創世記40:1-41:40
あなたは疎外されたり、不当な扱いを受けたことがありますか?友人によって気落ちさせられたり、フラストレーションが溜まるような出来事で自分自身で落ち込んだりしたことがありますか?
スミス・ウィグルスワースは「偉大な信仰は、大きな戦いの産物です。偉大な証しは大きな試験の結果です。偉大な勝利はただ大きな試練から生み出されるのです。」と言いました。私たちはヨセフの生涯からその例を見ます。
30歳になったヨセフ(41:46)は全エジプトの財産を管理を託されていました。エジプトのパロは賢く経験のある人を探しましたが、ヨセフに勝る者を見つけることはできませんでした(33,39)。
しかし、最初ヨセフは非常に厳しい時を通りました。それは彼にとって訓練の時だったのです。ヨセフは兄弟たちに拒絶され、不当な扱いを受けて投獄されました。彼の患難はそれだけにとどまりませんでした。
神はヨセフに一緒に投獄されている囚人、献酌官と調理官の夢を解き明かさせました。彼は明快で正確な解き明かしを与えたのです。調理官は処刑され、献酌官は釈放され、元の地位を回復しました。ヨセフが献酌官に託したのは、彼が釈放されたときに、パロに自分を獄から出してくれるように告げてもらうことでした(40:14)。
しかしながら、献酌官はヨセフのことをすっかり忘れてしまいました(23)。これはヨセフにとって大きな試練でした。友人があなたを失望させる時は安穏と過ごせません。ヨセフの場合、それは牢の中でさらに2年間を過さなければならないことを意味しました(41:1)。
ヨセフように有能な青年がずっと牢で過さなければならなかったということはどれほどフラストレーションがたまることだったでしょう。彼は青春真っ盛りの20代を費やしたのです。彼は釈放されるかどうかを知ることがありませんでした。私はあまり忍耐の人ではありません。私ならフラストレーションが溜まって、発狂してしまうのではないかと思います。
しかし実は、その期間を通して、神はヨセフが偉大な人となるように整えておられたのです。たぶん、その時にはそうは感じられなかっヨセフのたでしょう。獄の中で囚人たちに食事を配給していたことは、王宮から国中に食事を配給するヨセフになるための備えだったのです。
ついに、誰も解き明かすことのできない夢をパロが見たとき、献酌官が言いました。「私はきょう、私のあやまちを申し上げなければなりません(9)。」そしてヨセフが呼び出されパロの夢を解き明かしたのです。
ヨセフは言いました。「私ではありません。神がパロの繁栄を知らせてくださるのです。(16)」私たちはなんとヨセフが知恵において成長したかを見ます。うぬぼれて、鼻高だかであった青年は神を頼みとする者と変えられたのです。ここで彼は卓越した人間性と確信のバランス(通常、この二つは両立し難いのですが)を持ち得ています。これが、私たちが人生のチャレンジに面したときに必要な「私ではありません…しかし、神にはお出来になります」という人間性と確信なのです。
ヨセフはパロの夢を解き明かしました(25-32)。そして、パロがどのように対応すればよいかを告げました(33-36)。成長したヨセフのうちにパロは偉大な知恵を認識しました。パロは家臣たちに「神の霊の宿っているこのような人を、ほかに見つけることができようか。(38)」と言いました。なぜなら、パロはヨセフのような「洞察」と「賢明さ」を併せ持つ人物を誰も見出すことはなかったからです。こうして、パロはヨセフに帝国の全権を掌握させたのです(39-40)。
あなたが患難、試練、苦難を通るとき、神はあなたを用意しておられるのです。ヨセフの知恵は成長しました。その結果、飢饉と景気後退の時期を操縦するための計画を策定することができたのです。多くの人々があらゆる経済的な困難に直面するでしょう。神の助けと知恵は状況を満たすだけでなく、直面している困難をどう乗り切るかという操縦方法の助けでもあるのです。
祈り:主よ。あなたが私の困難な時さえ用いてくださるということを感謝します。どうか知恵において成長しますように。あなたを信頼し人生のチャレンジを乗り越えていくことができますように。アーメン
H.K