Tokyo Chapel

2018年8月14日

第226日

蚊と共に過ごす夜

歴史とは多くの意味で「影響の物語」です。リーダーシップとは影響に関することです。すべての人は誰かに影響を与えています。それゆえ、ある意味で、すべての人はリーダーです。最も内向的な人でさえ、一生のうちで10,000人の人々に影響を与えていると、社会学者たちは私たちに告げています。「ランチは何にする?」とか、「どの映画を見る?」から、もっと重要な真理や倫理に関する事柄まで、あらゆる種類の事柄において、私たちは皆、互いに影響を及ぼし合っています。

私の人生もとてもたくさんの人々から影響を受けました。私の両親、学校の先生、友人や家族…。私が他の人々から影響を受けたのと同じように、良いか悪いかに関わらず、必然的に私がすることや言ったことが誰かに影響を及ぼします。

アフリカに、「もし、あなたが影響を与えるには自分は小さすぎると思っているなら、今晩、蚊と共に過ごせばよい。」ということわざがあります。蚊が与える影響はうっとおしいものですが、原則は同じです。一人の人が大きな不正を止めることが出来ます。一人の人が真実の声を上げることが出来ます。一人の人の優しさがいのちを救うことが出来ます。それは一人ひとりの事柄です。

そのようにして、あなたの影響を最大限に生かすことが出来るでしょうか?そしてその影響力を良いことのためにどのように使うことが出来るでしょうか?


すべての人の良いことのために

詩篇96:1-13

神はイスラエルを選びました。神はイスラエルの民を特別な方法で祝福しました。神の目的は彼らがプライドを感じ、優越感をもつことではありませんでした。むしろ、彼らが全世界の祝福となるためだったのです(創世記12:3)。彼らは祝福する者となるために祝福されたのです。彼らは、すべての国々にとって良い影響をもたらすことに用いられるために召されたのです。

今、神は私たちを選ばれました。それが教会です。そして教会はすべての人々を祝福する存在です。あなたは祝福するために祝福されたのです。

この詩篇は、多国籍的に焦点が当てられています。神の不思議と祝福はすべての人のためであると宣言します。あなたは次の事柄を通しての祝福に召されています。

  1. 礼拝
    礼拝は創造的であるべきで、刷新されるべきだとさらりと言及しているのは興味深いことです。
    彼らは「最新の歌」を歌った(詩篇96:1,MSG訳)
  2. 証し
    「海から海へと主の勝利の知らせを叫べ
    失われた者に主の栄光の知らせを告げよ
    主の不思議なる知らせを残らず告げよ!
    メッセージを告げよ…神は支配する!(2-3,10a,MSG訳)

祈り:主よ。お助けください。自分ばかり見つめてわがままになりませんように。私たちがするすべてのことが個人であれ、群れであれ、世界に祝福をもたらすために外側に向けて焦点を合わせることができますように。日々、あなたの救いを宣べ伝えることができますように。


良き知らせをまき散らす

1コリント9:1-18

パウロはクリスチャンとしての自分の影響を、特に、使徒として深く自覚していました。パウロは最大限に自分の影響が良いことのためになるように固く決心していました。「それは、キリストの福音に少しの妨げも与えまいとしてなのです。(12b)」

パウロは自分が独身に召されているのは、彼の影響が最大限に生かされるための一つの方法だと理解していたように思えます。彼は結婚を何ら間違ったことだとは示唆していません。「ほかの使徒、主の兄弟たち、ケパなど(5)」のように皆が結婚していたことを示しています。

他の方法として、パウロは第二の仕事、すなわち生活の糧を得るための仕事を持つことによって彼の影響を最大限にしようと探究しました。パウロは自分はそうする必要はないということをとても熱心に指し示そうとしています。「主も、福音を宣べ伝える者が、福音の働きから生活のささえを得るように定めておられます。(14)」あるいはユージン・ピーターソンが次のように翻訳する通りです。「メッセージを告げ拡げようとする者たちはメッセージを信じる者たちによって支えられるべきです。(14,MSG訳)」言い換えれば、クリスチャンとして、私たちはフルタイムで福音を宣べ伝える人々を経済的に支えるべきなのです。

パウロの論点は、自分はその権利を持っているけれども、その権利を用いることをしなかったということです。「私たちが最初からずっと決心したことは、キリストのメッセージを妨げたり減じたりするよりは、じっと我慢することでした。(12b)」

パウロは福音を宣べ伝えることにとても情熱を持っていました。パウロは何ものにも最大限のインパクトを与えることを邪魔されたくなかったのです。ですから、パウロは自分の権利を用いることをしなかったのです。彼のミッションは最優先事項だったのです(15a)。パウロにとって「福音を宣べ伝え」ることは「どうしても、しなければならないこと」でした(16a)。彼は「もし福音を宣べ伝えなかったなら、私はわざわいだ。(16b)」と記します。パウロは単純に義務の遂行と感じていたのです。

何よりも彼が願ったことは、人々が「無料で(18,NIV訳)」福音を聴くことが出来ることでした。パウロは福音を宣べ伝えるときに報酬を求めないで与えることを奪われるなら死んだ方がましだと思いました。「私を信用しなかったり、私の動機に異議を唱えたりする攻撃を誰かが与えるなら死んだ方がましだ。(15,MSG訳)」

これはアルファをするのに誰からも支払いを求めないと私たちが固く決心した理由の一つです。そして、これはまたアルファを終えたばかりのゲストからすぐさま献金を呼び掛けるという誘惑に抗する必要がある理由です。私たちは福音を聞く特権のために直接的にも間接的にその人々に支払わせたくないのです。パウロは言います。「死んだ方がましだ…(15b)」と。

1989年にビリー・グラハムがロンドンに来て説教したことをニッキーはよく覚えています。招待状の一枚も無駄にしたくなかったので、名ばかりの入場料として1ポンドほどでチケットを売ることが提案されました。その案はあっさりと退けられました。ビリー・グラハムはいつも福音を語る時は無料で届けることを固く決めていたからです。

祈り:主よ。いつも使徒パウロの霊に従うことができますように。そして報酬を求めないで、福音を宣べ伝えインパクトを与え、影響をもたらすことを最大限に生かすことができるように。そして、キリストの福音を妨げるくらいなら、じっと我慢することを選ぶことができますように。


良い種を蒔く

伝道者の書 9:13-12:14

ソロモンは影響の力をよくわきまえていました。この影響は良くも悪くもなりえます。

一人の知恵ある人が都市を救うことが出来ます(9:13-18a)。他方、「ひとりの罪人は多くの良いことを打ちこわす。(18b)」ヒットラー、スターリン、ポル・ポトはこの原則の顕著な例でしょう。一人の人物がその影響力を悪のためにもうちいることが出来、その結果大きな痛手を被るのです。

しかし、その影響はこれらの独裁者が悪い効果をもたらすために持ったのと同じくらい大きなものである必要はありません。「死んだはえは、調合した香油を臭くし、発酵させる。少しの愚かさは、知恵や栄誉よりも重い。(10:1)」もし、死んだはえでさえ悪い影響をもたらすなら、ましてや人間が悪や善のために影響を及ぼさないことはありません。私たちは皆、香油の中のハエになりえます!

作者は悪い影響よりむしろ良い影響をどのように持つことができるかについて語ります。

  1. あなたの言葉を見張れ
    ソロモンは「知恵ある者が口にすることばは優しい(12a)」ことを私たちの思いにとどめます。激した言葉に対しても穏やかに応答しましょう(4)。

    うわさ話やあなたの指導者の悪口を避けましょう。あなたが言うことや、考えさえ気をつけましょう。「王をのろおうと、ひそかに思ってはならない寝室でも富む者をのろってはならない。なぜなら、空の鳥がその声を持ち運び、翼のあるものがそのことを告げるからだ。(20)」

  2. リスクを負う
    あなたの影響を良いことのために最大限に生かすには、あなたはリスクを冒す必要があります。「気前よくあれ。慈愛の働きに投資せよ。慈愛は多くの見返りを産みだす。あなたの品々を溜め込むな。それらを周りにまき散らせ。他者にとっての祝福となれ(11:1-2,MSG訳)」言い換えれば、作者は「冒険しなければ、利得はない」と言っているのです。愛することは見返りとしての愛を得ることが出来ないというリスクを冒すことです。やってみるということは失敗というリスクを冒すことです。しかし、リスクを選び取らなければなりません。なぜなら、人生で最も大きな危険はリスクがないということだからです。

    もし、私たちが用心深すぎると、私たちは何も達成することがないでしょう。「風を警戒している人は種を蒔かない。雲を見ている者は刈り入れをしない。(4)」私たちはこの原則を教会形成にあてはめることが出来ます。それはリスクと固い決心を必要とします。私たちは一見打ち勝てそうにない障害物にひるんでははりません。私たちは「風」や「雲」を見て先延ばしにしてはならないのです。

  3. あなたの努力を拡げる
    影響を最大限にするために、あなたは自分の人生の異なる機会を「ジャグリング(落とさずに次々にほうり上げる)」しなければならないでしょう。「朝のうちにあなたの種を蒔け。夕方も手を放してはいけない。あなたは、あれか、これか、どこで成功するのか、知らないからだ。二つとも同じようにうまくいくかもわからない。(6)」

    卵を同じ篭に全部詰め込んではなりません(一つのことにすべてを賭けるなということわざ)。計画を同時に推し進め、全ての機会を用いなさい。これは、教会がすべての方向に種を蒔こうとする理由です。礼拝、祈り、リーダーシップ、弟子訓練、聖書の学び、社会変革、伝道、刑務所への働き、貧しい者や社会の隅に追いやられている人々へのミニストリー…。

  4. あなたの機会を用いる
    人生は短い。「あなたの心から悲しみを除き…(11:10)」あなたの機会は限られています。「たとえあなたが長生きするとしても、1日を当たり前のように思ってはなりません。一瞬一瞬を輝かせなさい。…若者よ、若い日を大切にしなさい。(8a,9,MSG訳)」

この書は、知らべ、尋ねてきたすべての結論で終えます。人生の意味は究極的に、神とあなたとの関係に尽きるのです。神を崇め、神が命じられたことを守りなさい。これが、すべての人のすべての義務なのです。

祈り:主よ。あなたを崇め、あなたの命じられたことを守ることができますように。私の影響が悪のためではなく、良いことのために用いられますように。あなたが私の前に置かれたすべての機会を最大限に生かすことが出来ますように。アーメン。

H.K