2019日年6月23日
第174日
大いなる友情の3つの鍵
イギリスの衣料品チェーンの「トップショップ」は、鍵となる消費者世代である「ジェネレーションY(1981年から2000年初頭に生まれた世代)」の動向調査を心理学者のチームに委託しました。800人のインタビューを実施し、信じられないような結果に仰天しました。それで改めて800人を対象にインタビューしたのですが、同じ結果が出たというのです。
結果が描き出したのは、孤独の増加と人生の方向を失った世代という警鐘を鳴らすべき姿でした。記録されてきた社会の歴史の中でどの時代よりも孤独な人々が多いというのです。ジェネレーションYがフェイスブックに費やす時間は一日平均6から6.5時間。インタビューを受けた多くの人が、仕事はファイスブックとランチの合間にすればよいと思っていると答えました!彼らはとてもたくさんの「友達」を見つけますが、孤独感は増加しているのです。
ソーシャル・メディアが悪いわけではありませんが、実際に顔と顔を合わせて築く友情の代用品にはなりません。私たちは神との交わり(創世記3:8)と相互の交わり(2:18)のために創造されたのです。
結婚は、孤独を解決する一つです。結婚関係においても大切な友情は、極めて重要な解決の部分です。イエスは性別に関わらず、ご自身との近しい友情を持ちました。イエスは結婚が単に孤独の解決方法ではないことを示したのです。ある意味で、友情は結婚よりも重要であるとさえ言えます。結婚は一時ですが、友情は永遠です。C.S.ルイスは「友情(Friendship)とは、人生の冠であり、美徳の学校である。」と記しました。友情は喜びを倍にし、悲しみを半分にします。
聖書はとても現実的です。私たちは最高の人間関係の例と、最悪の例をその中に見ます。これらの例を通して、そして聖書の教えを通して、鍵となる3つの事柄を見ていきましょう。
価値あるパートナー
詩篇77:10-20
マザー・テレサは「あなたに出来ないことを私が出来る。私には出来ないことはあなたが出来る。そして一緒に偉大なことが出来る。」と言いました。
昨日、詩篇の作者が苦悩の内にいかに神に叫んだかを見ました。後半部分で彼は今まで神がどのように偉大な業をなされたかを思い起こします。特に出エジプトにおける神の御業で民が解放されたことを振り返ります(11-12)。
特に、彼は出エジプトに際して、神の民の神の偉大な解放を振り返ります。「あなたは奇しいわざを行われる神、国々の民の中に御力を現される方です。(14)」と彼は祈ります。海を真っ二つに分けた神の御業(16-19)を黙想し。そして最後に「あなたは、ご自分の民を、モーセとアロンの手によって、羊の群れのように導かれました。(20)」と締めくくります。
モーセとアロンは、この神の偉大な御業に加わったパートナーでした。それは神の民の歴史において偉大な成功物語の一つです。
彼ら自身よりも偉大な神の目的に彼らが含まれたので、それは起こったのです。彼らは同じ方向に目を向けていました。兄弟でしたが、彼らはとても異なる技術と役割を持っていました。モーセはリーダーでありアロンは告げる者(出エジプト7:1-2)であり、礼拝を導きました(28:1)。
今日、私たちには良きパートナーが必要です。イエスが弟子たちを二人一組で送り出した理由はそこにあります。ミニストリーはとても孤独です。二人で行くならば一人とは違う結果があるのです。そのようにして大いなる友情がはぐくまれるのです。
祈り:主よ。今日、私は地域教会の中で、そして世界中の教会の中で良きパートナーシップがはぐくまれることを祈ります。主よ。モーセやアロンのような人々を多く起こしてください。そしてそのような人々を通してあなたの偉大な御業を成し遂げるのを見ることができますように。
友情を育む
使徒15:22-41
ごく初期のキリスト教会の姿から、私たちはパートナーシップをもって友と労することの例を学ぶことが出来ます。パウロとバルナバは福音におけるパートナーでした(22)。二人はエルサレムの評議会から異邦人たちに決定を知らせる使者として遣わされました(23)。
彼らは親愛なる友人として「このバルナバとパウロは、私たちの主イエス・キリストの御名のために、いのちを投げ出した人たちです。(26)」と書き送りました。
彼らはもう一組のパートナー、(バルサバと呼ばれる)ユダとシラスも遣わしました(22)。ユダとシラスは預言者で「多くのことばをもって兄弟たちを励まし、また力づけた。(32)」とあります。ここでも預言も一人ではなくパートナーシップの内に用いられるのです。
これらはとても良いことです。ところが読み進んでいくと、初代教会にも分裂がありました。それは教理上の違いではなく、個人的な意見の違いでした(39)。サンディー・ミラーはしばしば言います。「召命は神聖なもの。しかし関係は人間のもの!」パウロとバルナバは仲たがいしました(36-38)。彼らは「激しい反目」の結果「互いに別行動をとること」(39)になりました。彼らはそれぞれの方向に向かうことになりました。
神の摂理の内に、結果的にはそれは良きものとなりました。バルナバは新しいパートナーであるいとこのマルコ(コロサイ4:10)を見出し、パウロはシラスを見出しました。そして、シリヤおよびキリキヤを通り、諸教会を力づけたのです(15:41)。やがてパウロとバルナバは互いに和解したようです(1コリ9:6)。」
現実には、時々、クリスチャン同士のパートナーシップでさえ、葛藤や失敗を生じます。神はそのような状況にも希望を与えることができるのです。もし、クリスチャンが仲たがいし別々の道を進んだとしても、それが世の終わりではないのです。この箇所は、彼らの意見の不一致が彼らから神の祝福を取り除くようには導かなかったことを見せてくれます。
しかしながら、神の摂理のこの例は、決して不一致を正当化しているものではありません。私たちは全力を尽くして相違を克服して、分裂を回避するべきです。
あなたの友情を大切にしましょう。もし、仲たがいするような時、常に和解を求め、そして、マーチン・ルーサー・キングが言った言葉を心に留めましょう。彼は言いました。「赦しは状況的な行動ではない。それは恒久的な態度である。」
祈り:父よ。私たちの主イエス・キリストの御名のために命を賭けたパウロやバルナバのような心奮い立たせる例を与えてくださり感謝します。私たちが分裂の痛みを避け、お互いの違いを解決する力をお与えください。
忠誠を優先する
1列王11:14-12:24
この箇所で、私たちは最悪の人間関係を見ます。ソロモンは蒔いた種の結果を刈り取り始めました。ソロモンは神への不忠誠を蒔き、今、あらゆる所で不忠誠を刈り取り始めたのです。最初の敵はハダデでした(11:14)。第二はレゾン(23)、彼は「略奪隊の隊長(24)」でした。
次にヤロブアムが敵対しました(26)。彼はソロモンの家来でした。彼は「手腕家」で、ソロモンは働きぶりを見て、「ヨセフの家のすべての役務を管理させました(28)。」ソロモンは晩年多くの敵対者に囲まれ、ヤロブアムを殺そうとしました(40)。
ソロモンの息子、レハブアムは相続を台無しにします。彼は敵対者に対して知恵深く扱うことができませんでした。彼は聞くことに失敗しました。「王は民の願いを聞き入れなかった。(12:15)」そして「全イスラエルは、王が自分たちに耳を貸さないのを見て取った(16)」のです。
彼は長老たちが彼に与えた助言を退けました。その結果、ほとんどのイスラエルの部族はヤロブアムのもとに集結したのです。「ユダの部族以外には、ダビデの家に従うものはなかった。(20)」そして戦いが起こったのです(21)。その結果は王国の分裂でした。しかし、問題はそれで終わりではありませんでした。神はヤロブアムに「もし、わたしが命じるすべてのことにあなたが聞き従い…(11:38)」と驚くべき祝福を約束されたのです。悲惨なことに、(それは数日後に読むことになりますが)ヤロブアムはそうしませんでした。そして、その結果は惨憺たるものになったのです。
神の民の歴史におけるこの出来事は、神への不忠誠、王への不忠誠、反逆と内乱の物語です。あなたの忠誠はあなたへの神の誠実さの反映であるべきです。
もし、あなたが不忠誠を蒔くなら、あなたは不忠誠を刈り取ることになるでしょう。もしあなたが忠誠を蒔くなら、あなたは忠誠を刈り取ることになります。あなたは言葉と行動においてあなたの忠誠を表すのです。今いない人にも忠実でありましょう。そうするなら、あなたは今いる人の信頼を築くことになるのです。
私たちが不忠実であったとしても、神はご自身の約束を誠実に為されます。神はダビデとの間に結んだ契約を覚えていました。(2サムエル7章を参照)。そして、民を完全に拒むことをしなかったのです(1列王11:32,34,36)。神は私たちを訓練しますが、「このために、わたしはダビデの子孫を苦しめる。しかし、それを永久に続けはしない。(39)」神の訓練は一時的であり、神の誠実さは永遠です。「霊の父は、私たちの益のため、私たちをご自分の聖さにあずからせようとして、懲らしめるのです。(ヘブル12:10)」
神のあなたへのコミットメントと誠実さのゆえに「高さも、深さも、そのほかのどんな被造物も、私たちの主キリスト・イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことはできません。(ローマ8:39)」
これは、気休めではありません。神の恵みを喜び、心を尽くして自分自身をささげて神を礼拝する動機なのです。あなたは神の召命に応えて「わたしのおきてと命令とを守って、わたしの見る目にかなうことを行う…(1列王11:38)」という選択をすることができるのです。
祈り:主よ。あなたの愛、一致、誠実の御霊を教会に注いでください。お互いにパートナーシップをもってともに歩ませてください。友情を守り、パートナーシップを強固にし、私たちに敵対する者たちを知恵を持って扱うことを得させてください。アーメン。
H.K
References
C. S. Lewis, The Four Loves, (William Collins, 2012).
John Stott, The Message of Acts, (IVP, 1991).