2019年10月22日
第295日
あなたの最も重要な務め
「偉大な指導者は皆、共通する一つのことがあります。彼らは、良い人々を獲得し、保つことが指導者の最も重要な務めであることを知っている。」とジョン・マックスウェルは著書「あなたがリーダーに生まれ変わるとき(Developing the Leaders Around You)」に記しています。彼は読者に「できる限り最善の人々を見つけなさい。そして、彼らが出来る限り最善のリーダーとなるように開発しなさい。」と勧めています。
パウロは訴えられて暗闇の中にありました。光と空気を入れるための穴だけが開いた、じめじめした地下牢に入れられていました。彼は「鎖につながれ(2テモテ1:16)」「犯罪者のようにつながれて(2:9)」いました。彼は孤独で、退屈で、凍えていました(4:9-13)。死といつも背中合わせでした。言い伝えによれば、パウロは死刑を宣告されネロの迫害のもとで斬首されたと言われます。
これ(テモテ第二の手紙)は、多分彼の最期の手紙です。パウロは教会に宛てるより個人に書き送ることを選びました。テモテはパウロが見出した指導者でした。パウロは多分六十代、テモテが三十代前半だったでしょう。
パウロは次世代に福音をバトンタッチすることを気づくに至ったとき、彼の大きな関心はテモテがそれを守るべきであるということでした(1:11-14)。私は年をとって、私の前の世代の人々の知恵に感謝し、さらに次世代にバトンを渡さなければならないという私たちが皆持っている、責任を自覚するようになりました。
次世代のための正しい土台
詩篇119:81-88
この詩篇は、個人的な人生の反映であり、また詩篇の作者によって生み出された、他の人々が自分の人生とリーダーシップを正しい土台の上に築く助けとなる源でもあります。
特に、詩篇の作者は神の言葉に信仰を据える手本を示します。「私はあなたのみことばを待ち望んでいます。… あなたの仰せはことごとく真実です。…この私は、あなたの戒めを捨てませんでした。(81b、86a、87b)
祈り:主よ。すべての「穴(85)」や「迫害(86)」によらず、忠実であることが出来ますように。私が次世代のリーダーを訓練することができるようにお助けください。
次世代を開発する方法
2テモテ1:1-18
私たちは皆、霊的な子どもたちを持つことが出来ます。
パウロには多分子どもはいなかったでしょう。しかし、彼には霊的な子どもたちがいました。パウロはテモテを「愛する子テモテ(2)」と記しました。パウロはテモテを主にある信仰に導きました(使徒16:1-2)。15年間、テモテはパウロの同労者を務め、パウロの第二回と第三回の伝道旅行に同行しました(ローマ16:21、1テサロニケ3:2、ピリピ2:19-20)。そして今、テモテはエペソで指導者としての立場にありました。
パウロはテモテの相談役となり、訓練し、指導し、彼に知恵を授けました。彼は、次世代の指導者をどのように育てるかのモデルと手本を設定しました。
- 彼らを愛する
「私がとても愛した息子」という表現がまさにパウロとテモテの関係です。(2テモテ1:2,MSG訳)パウロは常々テモテのゆえに神に感謝しました(3)。パウロは情熱の人であり、感情的でした。人々が彼に別れを告げた時、感激の涙をしばしば流しました。「私はあなたが居なくてとても寂しい思いです。特に、最後の感涙の別れを覚えています。そして喜ばしい再会を待ち望んでいます。(4,MSG訳)」 - 彼らのために祈る
「私は、夜昼、祈りの中であなたのことを絶えず思い起こしては…(3)」人のために祈ることは時間の浪費ではありません。それは違いを生み出します。とりなしの祈りは愛の行動です。 - 彼らを信じる
「私はあなたの純粋な信仰を思い起こしています。そのような信仰は、最初あなたの祖母ロイスと、あなたの母ユニケのうちに宿ったものですが、それがあなたのうちにも宿っていることを、私は確信しています。(5)」パウロは若輩のテモテが責任を担えると信頼しました。私たちに影響を及ぼす人々は私たちを信じてくれる人々です。 - 彼らにミニストリーをする
「私の按手をもってあなたのうちに与えられた神の賜物を、再び燃え立たせてください。(6)」それ以前にパウロは「長老たちによる按手を受けたとき、預言によって与えられた、あなたのうちにある聖霊の賜物を軽んじてはいけません。(1テモテ4:14)」と書き送りました。
彼らは彼の為に祈ったことでしょう。それは伝道の賜物のために、あるいは教会の指導者としての按手の祈りです。それによって聖霊に満たされ、異言や預言の賜物を受け取ることができたのです。私たちは正確にはそれが何であったかを知り得ませんが、祈りのミニストリーの大切さを示しています。それが、たとえばホーリー・トリニティー・ブロンプトン教会の礼拝の終わりのミニストリーの時間に、私たちが人々に手を置いて祈る理由なのです。 - 彼らを励ます
テモテには励ましが必要でした。励ましは魂への酸素のようなものです。テモテは若かったのです。彼は肉体的な弱さもありました(「たびたび起こる病気」,1テモテ5:23)そして、彼はことによると恥ずかしがり屋で内向的な性格であったかもしれません。
パウロは記しました。「神が私たちに、おくびょうの(勇気の欠如の、怖気づく、すくむ、恐れてへつらう)霊を与えていません。(2テモテ1:7,AMP訳)」私たちはもし恐れを感じても、臆病になってはなりません。実際、あなたが、おびえない限り、勇気はあり得ないのです。勇気とはあなたがすることを恐れる何かをすることであり、あなたの決意を恐れに支配させることを許さないことです。
あなたの恐れを克服するために、神はあなたに聖霊を備えてくださり、「力と愛と慎み(7b)」を備えてくださったのです。 - 彼らにチャレンジを与える
パウロはテモテに与えられた賜物を「燃え立たせ(6)」「挑発(6,KJV訳)」して勧めました。人はあなたを助けることができますが、終わりの日には、あなたはあなた自身の霊的成長についての責任があります。自分自身を鼓舞しなさい。礼拝、祈り、聖書通読、交わり、それに関することは何でも、あなたの信仰の火を燃え立たせなさい。 - 彼らを信頼する
「あなたにゆだねられた良いものを、…守りなさい。(14)」ゆだねられた良いものとは、パウロが使者、使徒、教師と任命された福音です(11)。
福音とはまさしく「私たちの主(8)」イエスです。それは主との関係についてです。「私は、自分の信じて来た方をよく知っており、(12)」私たちは恵みによって救われました。「それは私たちの働きによるのではなく(9)」私たちの救い主、イエスが十字架と復活を通して、「死を滅ぼし、福音によって、いのちと不滅を明らかに示されました。(10)」
パウロはテモテに自分たちの友情関係を恥じることはないと勧めています。そして主について証しすることを恥じないように勧めています(8)。彼らは告げ知らせるべき、そして守るべき福音を持っていました(9-14)。パウロは、自分が「私たちのうちに宿る聖霊によって(14)」次世代にバトンタッチすべき正しい人を選んだと確信していました。 - 彼らに分かち合う
「福音のために私と苦しみをともにしてください。(8)」パウロは、神に「きよい良心をもって仕えて(3)」いましたが、彼は苦難から逃げようとしませんでした。彼は「鎖につながれ(16)」ていました。彼は他のクリスチャンによって貶められることがありました。「あなたの知っているとおり、アジヤにいる人々はみな、私を離れて行きました。その中には、フゲロとヘルモゲネがいます。(15)」
しかし、一人の人物が傑出していました。迫害する者から逃げることなく「彼はたびたび私を元気づけてくれ、また私が鎖につながれていることを恥とも思わず(16)」とパウロが言ったオネシポロその人です。
祈り:主よ。次世代にバトンを手渡すことができますように。彼らのために祈り、彼らを愛し、彼らを信じ、彼らにミニストリーをし、彼らを励まし、彼らに委譲し、彼らと分かち合うことができますように。
次世代を育てることの大切さ
エレミヤ48:1-49:6
エレミヤが何度も何度も光を当ててきた問題の一つは、民の指導者の弱さと不道徳です。ここで、私たちは正しいリーダーシップが欠如することで如何に悪いことが起こり得るかというひどい結果を見ます。
「イスラエルには子がないのか。世継ぎがないのか。(49:1)」相続が開かれていましたが、それを受け継ぐ者が誰も育たなかったのです。
リーダーシップの神の方法の正反対は高ぶりと傲慢です。それはモアブの大きな罪でした。「私たちはモアブの高ぶりを聞いた。実に高慢だ。その高慢、その高ぶり、その誇り、その心の高ぶりを。(48:29)」
プライドと独立はしばしばこの世の価値観では良いものとみなされます。 ― しかし、彼らは主の目に大きな罪を犯しました。なぜなら、彼らは人々を主から引き離したからです。プライドと独立心は「私はあなたを必要としません。」と言います。
モアブとアンモンに対する裁きを告げ知らせ、エレミヤはいいました。「主のみわざをおろそかにする者は、のろわれよ。(10)」「モアブはいつものんきに構えていた。陽だまりの犬のように怠惰で、生きるために働こうとせず、問題に目を向けず、成長しようともせず、汗を流して働こうとしなかった。(11,MSG訳)」
勤勉に働くことは恵まれた才能より大切です。トーマス・エジソンの有名な言葉です。「天才とは1パーセントのインスピレーションと99パーセントの汗(パースピレーション)です。」次世代を育てることには勤勉に労することが含まれます。
大切な原則があります。私たちは自分がすること、たとえば、私たちの世俗の仕事と主の働きに同じ基準を適用するべきです。ほとんどの世俗の仕事は100パーセントの効果と関与を要求します。私はいつも、そんなにも通常的に、愛と関与をもって労するボランティアの人々にいつも感銘を覚えます。毎年毎年、自分自身をささげることは驚くべきことです。その中の多くの人々は生涯を通じて仕えることに献身しています。
祈り:主よ。あなたの仕事をすることに、怠惰になりませんように。私たちの世代が福音を守り、リーダを育て、次世代に受け継いでいくことが出来ますように。アーメン
H.K
References
Frank Lewis Dyer and Thomas Commerford Martin, Edison: His Life and Inventions, Volume 2 of 2 (Harper & Brothers, New York. 1910), p.607.
John C. Maxwell, Developing the Leaders Around You, (Thomas Nelson Publishing, 2012) pp.2–3.