Tokyo Chapel

2019年10月26日

第299日

もしうまくいかなくても、それが最後ではない

映画「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」の中で「最後にはすべてがうまくいく。…もしすべてがうまくいかないなら、それは最後ではない。」というセリフがあります。映画の中での筋立ての中での意味はともかく、この言葉の中には深遠な神学的な真理が告げられています。


最後までレースを走りぬく

詩篇119:105-112

詩篇の作者のように、あなたの一生の最後の最後まで主に忠実にとどまることを心に定めましょう。「私は、あなたのおきてを行うことに、心を傾けます。いつまでも、終わりまでも。(112)」と言いましょう。

ある時には、あなたの人生は障害物競走の様かもしれません。行く道に罠が仕掛けらていています(110a)。迷いださせる誘惑があります(110b)。そして苦難も(107)。

つまずきや人生を台無しにすることを避けるには、あなたはどうすればいいのでしょうか?暗闇をぶらぶらとさまようことは恐ろしく危険です。詩篇の作者の答えは、あなたの周りの世の暗闇の中に、神のことばをもたらすことです。

1.導き
神のことばは暗闇を照らす光です。「 あなたのみことばは、私の足のともしび私の道の光です。(105)」あなたの道に障害物があるのを見つけることができ、それによってつまずくことを避けることができます。神のことばを定常的に学びましょう。そして、主が一歩ずつ導いてくださいます。「あなたのみことばによって、私は行こうとするところが見えます。私の暗い道をビームライトのように照らします、(105,MSG訳)」

2.滋養
あなたは進んでいくのに霊的な糧が必要です。神のことばは「蜜よりも私の口に甘いのです。(103)」

3.知恵
あなたがストレスの多い状況や決断に直面する時、知恵が必要です。神のことばには「戒めがあるので、わきまえがあります。(104)」

4.励まし
「私は、いつもいのちがけでいなければなりません。(109)」と詩篇の作者が記すように、それは容易ではありません。進んでいくには励ましが必要です。神のことばは「永遠のゆずりとして受け継ぎました。これこそ、私の心の喜びです。(111)」

神は誠実で、あなたを助けてくださいます。詩篇の作者は「どうか、私の口の進んでささげるささげ物[賛美,NIV訳]を受け入れてください。主よ。(108)」と書きました。彼は「いつまでも、終わりまでも(112b)」進み続けるために神の助けに依拠することを決めたのです。

祈り:主よ。あなたを賛美する理由はたくさんあります。私の口の賛美の願いを受け取ってください。あなたの言葉は「私の心の喜び(111)」です。私は最後の最後までそれらに心を定めます。


次世代にバトンを渡す

テトス1:1-16

ある意味で、リーダーシップとはリレー競技に似ています。引き継ぐことが鍵です。あなたの部分はレースの終わりではありません。次世代にバトンを渡しましょう。

使徒パウロの人生は彼がイエスとダマスコの途上で出会った時に変わりました。パウロはその瞬間、神がイエスを死からよみがえらせたことを、そして、それゆえに死(この世の命の最期)が最後ではないことを認識しました。

彼は自分自身を「信仰を宣伝するためのキリストの代理人(1a,MSG訳)」とみなしていました。イエスはパウロを「神のことばと、神のことばに正しく応える方法を正確に伝える(1b,MSG訳)」メッセージを告げ知らせるために遣わしました。

ある日、イエスは戻って来られ、私たちが知っているように世の終わりが来るのです。しかしながら、それでも、それが終わりではありません。パウロの目標は、「終わりのない命への道を指し示すことによって希望を与える(2,MSG訳)」ことでした。この驚くべき良い知らせは、パウロのミニストリーを鼓舞し、力を与えたメッセージです。

これは、あなたの信仰の土台です。これが真理です。あなたは、この永遠のいのちの希望のゆえに、自分の将来に絶対的な確信を持つことが出来ます。この希望は創造のときから神によって約束されていました(2)。そして、「神は…約束を破らない!(2,MSG訳)」ので、あなたは確信することができるのです。これがパウロが「私たちの救い主の命令によって…告げ知らせることを委ねられてきた(4,MSG訳)」メッセージなのです。

最後には、あなたは永遠の命の希望を確かなものとします。それまでの間、あなたの務めは「残っている[終わっていない,NIV訳](5)」のです。パウロは、キリストに導かれたテモテと同じように、テトスに指導を与えています(4)。

パウロはレースにおける彼のパートの終わりにさしかかりました。しかし、彼のパートの終わりはレースの終わりではありません。彼はバトンをテトスに渡しています。「ですから、あなたは私が半分し残したものを完成することが出来るでしょう(5,MSG訳)」同時に、パウロはテトスに「すべての町にいるリーダーたち(5,MSG訳)」を指名することによって他の人々にテトスがバトンを渡すように勧めています。

継承していく鍵は正しいリーダーを見つけることです。パウロは、私たちがすでにテモテ書で見たように評価するための同じようなリストを与えています(5-9)。

パウロはこれらの度量の大きい、敬虔なリーダーと「神を知っていると口では言いますが、行いでは否定して(16)」いるような人々とを対照しています。「宗教的な教師」のふりをしているこれらの人々が家族全体を破滅させるのです。彼らは不正直な利得のために労します。彼らは自分たちの罪に呵責を覚えません。彼らは自分たちがしていることが悪いことだと理解していません(10-16)。

良い教会のリーダーの務めは、「健全な教理で他者を励ます」ことだけではなく、「それに反対する者たちを反駁する」ことです(9)。これは批判に対抗したり、自分たちとは少しばかり違う他のクリスチャンや教会を裁くことではありません。むしろ、10-16節は、反論される教会のリーダーたちのふるまいの型を私たちに見せてくれます。たとえば、それらは「彼らの教えによって家族全体が攪乱されたり、あぶく銭を儲けようとすること(11,MSG訳)」です。

この強力なリーダーシップの究極の目的は、神の民を道から逸らせる存在から守るためなのです。パウロによる冒頭の永遠の命の描きはここでも私たちの心に留めるべきです。それは、なぜ「健全な信仰(13)」にとどまることがそんなにも大切なのかという理由を示すからです。永遠の命の希望は私たちのゴールであり、私たちのメッセージであり、私たちの動機です。

祈り:主よ。イエスが私たちのために十字架でなされた御業と復活を通して、その結果、この命で終わりではなくなったことを感謝します。私たちがうまく導き、将来のために良きリーダーにバトンを渡すことが出来ますように助けてください。


希望をあきらめない

エレミヤ52:1-34

時々、私たちが生きている環境はとても荒涼としているように思えます。すべてが悪い方向に向かっており、暗闇が忍び寄ります。しかし、…神は希望の光なしに私たちを置き去りになさいません。もし、すべてがうまくいっていないなら、それは最後ではないのです。

エレミヤは裁きを告げ知らせるという気の進まない務めを担っていました。エレミヤの名は英語では「悲しみまたは悲痛な苦情をを与えられた人、時代を公然と非難する人、憂鬱な預言者」という意味で通っています。しかし、エレミヤ書の最期は希望のヒントをもって締めくくられています。

エレミヤの言葉はエルサレムの陥落によって成就しました。これは神の民にとってもっとも恐るべき時でした。彼らの王、ゼデキヤは捕えられ、目をつぶされ、投獄されました(11)。「ゼデキヤがその目で最後に見た光景は息子たちが殺される光景であった。…バビロンの王は彼を投獄し、彼が死ぬ日までそこに居させた(10-11,MSG訳)」神殿は破壊され火が放たれました。宮殿や、重要な施設も同様にされました(13-14)。多くの人々が捕囚されたのです。

そして、BC 562年、ユダの王エホヤキンの捕囚の37年目に、バビロンに立てられた新しい王はエホヤキンを解放し、牢から彼を釈放しました(31)。

「彼に優しいことばをかけ、彼の位をバビロンで彼とともにいた王たちの位よりも高くした。彼は囚人の服を着替え、その一生の間、いつも王の前で食事をした。彼の生活費は、死ぬ日までその一生の間、日々の分をいつもバビロンの王から支給されていた。(32-34)」

これはエレミヤ書の最後に記されたわずかな希望のヒントです。それは神の民にとって完全に終わってしまったのではないということです。この回復は実際、エレミヤによって24章で預言されていました。預言によれば、やがてある日、捕囚の民はその地に戻って来るということでした。この回復の最初のしるしが、この書の最後に記され、希望の記録となっているのです。これはBC537年に起こる捕囚からの帰還の前味となっています。

これそのものは、イエスの到来と聖霊の注ぎを伴う、神の国を通してもたらされる回復と刷新の予型にしかすぎません。

エレミヤ書の最後(エルサレムの陥落と捕囚)でさえ、「最後ではない」のです。神の民は生き残り、その地に帰ってきました。そして神殿を修復し、都を建て直したのです。しかし、これはまた、もっと偉大なことの描きでもあります。イエスは捕囚の終わりを告げ知らせました。イエスに遭って、私たちは新しい神殿と新しいイスラエルを得ました。神はイエスを死からよみがえらせました。あなたは墓の向こう側に新しい希望を得たのです。

祈り:父よ。イエスの再臨と永遠の命の希望のゆえに感謝します。新天新地の希望のゆえに感謝します。終わりが終わりではないことを感謝します。アーメン。

H.K

References

The Best Exotic Marigold Hotel, (20th Century Fox, 2012).