2019年1月28日

第28日

すべてを可能にする神とともに

「人生があなたにレモンを手渡すなら、レモネードを作りなさい」（ハズレを引いても、モノは使いよう。いわば「失敗は成功のもと」という意味。）ノーマン・ビンセント・ピールの著作のうち1952年に書かれた最も有名な一冊「積極的考え方の力」のことばです。この本はニューヨーク・タイムズのベストセラーとして186週連続して挙げられました。彼の格言の多くは実に有益です。しかし、イエスの言葉は積極的考え方の力をはるかに超えるものです。

ノーマン・ビンセント・ピールは「積極的な心の態度は、物事がうまくいくという信念だ。それによって、あなたはあらゆる問題や困難に打ち勝つことができるのだ。」と言いました。イエスは言います。「それは人にはできないことです。しかし、神にはどんなことでもできます。(マタイ19:26)」これは、積極思考以上に力強いことです。それは、不可能を可能に変えることができる神の力です。「神にとって不可能なことは一つもありません。(マタイ1:37)」

イエスによって、世界は創られた。

箴言3:11-20

神とともにあるなら、すべてのことは可能であるというのは、神が無からこの全宇宙を御創りになったという事実から言えることです。箴言の作者は言います。「主は知恵をもって地の基を定め、英知をもって天を堅く立てられた。深淵はその知識によって張り裂け、雲は露を注ぐ。(3:19-20)」

箴言は知恵を人のように語っています(13-18)。私たちは新約聖書のレンズを通してこれを読む時、私たちにはその人はイエスであることが分かります。聖パウロは私たちに「召された者にとっては、キリストは神の力、神の知恵なのです(1コリ1:24)」と語りました。

あなたはイエスとの関係に結び合わされるまで、生きるということを実は知ることができません。全宇宙はイエスによって創られました(ヨハネ1:3)。イエスはあなたを愛しています。イエスとの結び付きのうちにあなたは神の知恵と力を見出すことができるのです。

あなたがイエスを見出す時、あなたはすべての知恵の源泉を見出したのです。それはなんと幸いなことでしょう(箴言3:13a)。そして知恵と英知を得るのです(13b)。それはどんな物質的な繁栄にも勝るものです(14-15)。事実「知恵は真珠よりも尊く、あなたの望むどんなものも、これとは比べられない(15)」のです。

これは長い人生に続く道です。(16節にある「長寿」は新約聖書ではヨハネ3:16にある「いのち」です。）ここで、あなたは本当の「富と誉れ(16b)」を見出すのです。これは理解を超えて平安に続く道(17)。ここで本当の「いのちの木(18)」を見出すのです。

祈り：主よ。私は今日あなたを探し求めます。知恵、平和、あなたが導こうとしておられる人生を生きる力を与えてください。

人間にとっては不可能なことは神にとっては可能である

マタイ19:16-30

あなたは時々、ほとんど不可能だと思える状況に直面することがありますか？それは、ほとんど修復不可能な人間関係かもしれません。あるいは、健康問題や経済問題などかもしれません。神にあって、どんな時でも希望があります。どんなに状況が悪いと見えるかどうかは問題ではありません。神にとって不可能なことはないのです。神の力はすべてのことを可能にします。

「神にはどんなことでもできます。(26)」という言葉をイエスが語られた背景には、「わたしについてきなさい(21b)。」とイエスに招かれた裕福な青年が、イエスに「帰って、あなたの持ち物を売り払って貧しい人たちに与えなさい。(21a)」と言われたという出来事があります。しかし、この青年にとって、手放さなければならない物はあまりにも多すぎて、彼は「悲しんで(22)」イエスのもとを去りました。イエスは金持ちが天の御国に入ることがどれほど難しいかということを描き出しました(23-24)。それであっても「しかし、神にはどんなことでもできます。」と語られたのです。

人間的な見方をすれば、イエスが語ったことは、天に御国に入ることは誰ひとりとして不可能だということです(26)。億万長者であっても役に立ちません。実際、財産があればあるほど、邪魔になります。イエスは言いました。「金持ちが神の国に入るよりは、らくだが針の穴を通るほうがもっとやさしい。(24)」

ある人は、これはエルサレムにあった「針の穴」と呼ばれていた門のことを引き合いにしたのだと言います。そこをらくだが通るためにはすべての荷をおろさなければ通ることができないのだというのです。また、ある人々は「らくだ」という原語が「ロープ」と似ているのだと指摘します。本当は、「ロープが針の穴を通るほうが…」という比喩だったのだと。

このような説明でイエスの言葉を理にかなったものにしようとすると、イエスが語ったポイントを外してしまいます。ポイントは針の穴をらくだが通るというほど、「全く考えられないようなこと」だということなのです。しかし、人間的な言葉では全く不可能なことを神は可能とされたのです(26)。

「それでは、だれが救われることができるのでしょう。(25)」という弟子たちの質問への答えの中で、イエスは彼らの顔をまじまじと眺めながら言いました。「もし、あなたがたが自分の力でなんとかなるんじゃないかと思っているうちは、全くチャンスはありません。もし、あなたがたが神こそができると信頼すれば、この世界にチャンスが訪れます(25-26,MSG訳)」

この世の中で、裕福な者、権力のある者、有名な者が「第一」だと思われています。貧しい者は見下げられ、無視され、「最後」だと思われるのです。しかし、天の御国では、これが逆転します。イエスは言いました。「先の者があとになり、あとの者が先になることが多いのです。(30)」

これが、神の力強い、逆転の王国なのです。イエスは裕福な青年に貧しい者に施すようにうながしました。それはイエスが、この青年にご自身を信頼することを願ったゆえです。そして、貧しい者こそ、御国において、それほど高い優先順位を持っているがゆえです。それは、私たちにも当てはまります。毎日3万人の子どもたちが死にゆく目を覆うばかりの貧困と窮状があり、多くの国々には抑圧されている人々がおり、通りにはホームレスがおり、声なき、弱者がいるのです。

イエスが人々にすべてを与えるように言うことは稀です。しかし、この場合、イエスはそうされました。すべての人にとって、イエスに従うために「犠牲」があります。敵に囲まれた世界の中で、主の御旗を掲げることを意思しようとする時に支払う犠牲があるのです。私たちが間違っていると知ったことをやめる時、そのことが犠牲と思えることがあるのです。

それがどれほどの「犠牲」であったとしても、あなたが「永遠のいのち(29)」を受け取ることができるようになるためにイエスが支払った犠牲とは比べ物にはならないのです。そして、それはイエスに従わない時にあなたが被る犠牲とも比べ物にはならないのです。この裕福な青年は実に見誤ったのです。

さらに、それは、あなたが受け取るものと比べ物になりません。「わたしの名のために、家、兄弟、姉妹、父、母、子、あるいは畑を捨てた者はすべて、その幾倍(何百倍,NIV訳)もを受け、また永遠のいのちを受け継ぎます。(29)」イエスは、あなたがすべてを手放しても、もっと大いなるものを受け取ると約束してくださったのです。この人生において、さらにはっきりしているのは、永遠において、イエスがともにおられるのです。

祈り：主よ。私が神の国のためにすべてをささげることを意思することができるように助けてください。イエスに従うことが、最も偉大で果てしない豊かさをもたらすことを感謝します。神の力によってすべてが可能になることを感謝します。

あなたの人生において、神に不可能なことはひとつもありません

ヨブ8:1-10:22

時々、私たちが誰かの苦難を見るとき、それがなぜかということを説明したくなるという誘惑があります。ヨブの友人、ビルダデのアドバイスの中には、真理と、真理もどき、そして偽りが混ぜ込まれています(8:1-22)。

ヨブが答えた時、ビルダデに対して「まことにそのとおりであることを私は知っている。しかし…(9:2)」と言いました。言い換えれば、ヨブは「ビルダデの言ったことに真理は含まれているが、完全ではない」と指摘したのです。ヨブはビルダデの苦難に関する軽薄な説明を拒絶します。

ヨブのことばには体験を通して得た真実があります。そのことばは心からのものです。神への叫びがあります。「私をさばく方にあわれみを請うだけだ(15)」と言い、生まれて来なかった方がよかった(10:18-19)とまで、その心境を吐露しています。ヨブは自分の内に起こってきた葛藤と疑い、そして怒りまでも認めています。「私は自分のいのちをいとう。私は自分の不平をぶちまけ、私のたましいの苦しみを語ろう。(1)」とヨブは言います。

これらすべてのただ中であっても、神にとって不可能なことはありません。ヨブは言います。「神の知恵はとても深い、神の力はとても大きい…神は人々が何が起ころうとしているかを知る前に山を動かす。神は思いつけばそれを指で弾いて、彼らの頭の上に覆される…私たちは神がなさるこのすべての偉大な事柄を理解することはできない。神の奇跡的な驚きは数えることはできない(9:4-5,10,MSG訳)」「あなたは私に命そのもの、そして信じがたい愛を与えられました。あなたは私の呼吸をご覧になり守られる。(10:12,MSG訳)」

ここに、正直な葛藤と信仰とが見事にミックスされています。ヨブは、彼が知っている神にぴったりとしがみついているのであって、すべてがうまくいっているとか、説明できるとか主張していません。

神は、人間の努力によっては不可能なことをヨブの人生になすことがお出来になりました。神はヨブの将来を立て直し「前の半生よりあとの半生をもっと祝福された(42:12)」のです。

今、あなたがどのような葛藤の中にあったとしても、困難な生活、不可能な状況のように見えたとしても、神のあなたへの愛を覚え、神にあってすべてが可能であること(マタイ19:26)に信頼することが大切なのです。

祈り：主よ。ヨブという、人生の葛藤の最中にあってもあなたへの忠実と信頼の手本を与えてくださりありがとうございます。私の人生はあなたの御手のうちにあり、あなたの仰せの通りに致します。あなたの驚くべき愛を感謝します。あなたにあって不可能なことはないことを感謝します。アーメン。

H.K

References

Norman Vincent Peale, The Power of Positive Thinking, (Prentice-Hall, 1952)